2006年12月31日

僕らはいつまで続けるの?『禁じられた遊び』


『禁じられた遊び』のテーマになっているナルシソ・イエペスのギターを聴いたことがあるだろうか?
その曲そのままに、美しくも哀しい珠玉の映画『禁じられた遊び』は子どもたちを通して描いた反戦映画の傑作だ。


一九四○年六月のフランス。
パリは独軍の手におち、田舎道を南へ急ぐ難民の群にもナチの爆撃機は襲いかかって来た。


現実の音以外の音を全く使用せず緊迫感を盛り上げていく冒頭の空襲シーン。
冷徹なまでのリアリズム描写と、幼い二人の無垢な会話や秘密の場所での“禁じられた遊び”の詩情。
対比された映像が巧だ。

ルネ・クレマン監督はラストシーンの絶望的な悲しみを主題曲とともに盛り上げていく。


僕らはいつまで“禁じられた遊び”を続けるのだろう?


禁じられた遊び




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全てのアクション映画の原型となった『駅馬車』…500円で人生をエンジョイできる映画

ジョン・フォード監督、ジョン・ウェイン主演の代表作『駅馬車』。
この映画の誕生が娯楽西部劇の歴史を変え、のちに現れた全てのアクション映画の原型となった。
そのスピード感と計算され尽くした人間ドラマの妙。
第1級の娯楽映画になっている。


1885年頃、アリゾナのトントから今のニューメキシコのローズバーグまでの路は、荒野を駅馬車で横切って、たっぷり2日を要した。
大男のくせに臆病な馭者バックのあやつる馬車が、今その旅程へ出発しようとしている。
駅馬車にはそれぞれの事情を抱えた9人の男女の乗客がいる。
アパッチ族の襲撃はどうなるのか?(今なら、カーチェイスだけれどね。)


映画が娯楽の最前線にいたことを納得させる出来栄えとなっている。

『駅馬車』は老若男女を惹きつける全ての要素を持っていて、ストレス発散にもなるよ。


駅馬車




駅馬車






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『カサブランカ』…500円で人生をエンジョイできる映画

「きみの瞳に乾杯」や「ゆうべはどこにいたの?」「そんな昔のことは忘れたね。」などの名せりふで知られる『カサブランカ』。
この『カサブランカ』をきっかけにイングリッド・バーグマンはいっきに有名になる。

「カフェ・アメリカン」に流れる「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」。
そして、ハンフリー・ボガードは永遠のハードボイルド・ヒーローになる。(ボギー!)

う〜〜む、これだけでも映画の舞台はできたようなもんだ。


カサブランカ…それはまだ独軍に占領されてない仏領モロッコの都である。
暴虐なナチスの手を脱れてアメリカへ行くために、1度は通過しなければならない寄港地だ。

カサブランカにアメリカ人リークが経営しているナイト・クラブがあり、亡命者たちの溜り場になっていた。
ある時独軍の将校シュトラッサアは、ドイツ側の飛脚を殺し旅券を奪った犯人を追ってこの町に降り立った。


……と、ここから映画は大きく展開していく。

そして、ハンフリー・ボガードが『カサブランカ』で見せるダンディズムは男の永遠の羨望となる。


カサブランカ




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『大いなる幻影』…500円で人生をエンジョイできる映画

映画史上に最も影響力のある監督の1人、ジャン・ルノワールの、そしてジャン・ギャバンの最高傑作。
その後に続出する“捕虜収容所もの”(例えば「大脱走」)の原型となった映画だ。

第一次世界大戦中。
敵情偵察の任務を持つマレシャル中尉とポアルディウ大尉を乗せたフランスの飛行機は、ドイツの飛行隊長ラウフェンシュタインに撃墜されドイツ軍の捕虜となった。

マレシャルはパリの機械工の出、ポアルディウは貴族、そして国こそ違うが同じく貴族であるラウフェンシュタインは二人を捕虜扱いにせず不運な勇士として食卓にさえ招待するのであった。
彼等が収容されたハルバハ・キャンプの部屋には、ロザンタァルというフランスに帰化したユダヤ人の金持の息子もいた。
彼のもとに、日毎送られて来る慰問品で同室の人々はぜいたくな食事をとることが出来た。

貴族出で終始白い手袋をはめているポアルディウをマレシャルはなかなか信用しなかったが、脱走するための地下穴を掘る件に関しては皆んなが協力したのだが……。


ルノワール監督の洒脱な描写が光る。
第二次大戦が迫り来るなか、国境を越えて、これだけの反戦映画が作られたこと自体が行幸。
平和主義を貫く映画人の底力を見せ付けてくれる。


感動のラストシーンも鮮烈だ。



大いなる幻影




大いなる幻影






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『風と共に去りぬ』…500円で人生をエンジョイできる映画

時代は19世紀。
ジョージア州タラの大地主ジェラルド・オハラの長女スカーレット(演じるはヴィヴィアン・リー!!)の波乱と勇気の恋愛映画。

この『風と共に去りぬ』は、どんな日であっても、毎日、世界中のどこかで必ず上映されている、とまで言われている名作中の名作。
アカデミー賞も十部門独占。


なにが、そんなにも世界中の人々の心をつかむのだろうか?

そもそも、原作者マーガレット・ミッチェルの分厚い小説を映画化したものだが、小説を映画化にしたときの見本とも言える作品だ。(ちなみに、マーガレット・ミッチェルは、「風と共に去りぬ」のラストシーンを最初に書いたらしい。)
だから、この映画の魅力はもちろん、そのストーリーと人物像にある。

気位がムチャクチャ高いスカーレット。
気品にあふれる紳士風でありながら影を背負い、スカーレットに翻弄されるレッド・バトラー(演じるはクラーク・ゲーブル)。
抗いながらも、時代に揺れる人たち。
そんな人物たちがイキイキと描かれている。

しかしながら、ストーリー展開を支える映像もこれまた豪華で美しい。(あの、それでなくても細いスカーレットがコルセットを思いっきり絞って着る場面が面白い。)

結局、この『風と共に去りぬ』には単純にスカーレットの恋物語だと割り切れぬものがある。
人生はどんなひとにとっても波乱万丈であり、何があって明日への希望を失わずに生きていくのさ、という一本の柱が僕をこの映画に挽き付けるのだ。


いいのかな……こんな映画がたった500円で観られるなんて。。。。


風と共に去りぬ




風と共に去りぬ







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『市民ケーン』・・・500円で人生をエンジョイできる映画

ラジオドラマ「火星人襲来」で全アメリカ市民の度肝を抜いた天才、オーソン・ウィルズの処女長編監督作品にして主演作。
ちなみに、このラジオドラマ「火星人襲来」は“本物”の火星人が襲来したと思って非難する市民がでるなど、一部でパニックを起こしてしまうほどだったと伝説になっている。

実在の人物をモデルとした映画『市民ケーン』もまた、別の意味で全米を揺るがせる作品となった。


荒廃した壮大な邸宅の内で、片手に雪景色の一軒家のあるガラス玉を握り"バラのつぼみという最後の言葉を残し新聞王ケーンは死んだ。
死後のケーンに与えられた賛否の声は数多かったが、ニュース記者トムスンは"バラのつぼみの中にケーンの真の人間性を解く鍵があると信じ彼の生涯に関係のある人々に会うことになった。

ケーンが幼少の頃、宿泊代のかたにとった金鉱の権利書から母親が思わぬ金持ちになった。
そのために彼は財産の管理と教育のため、片田舎の両親の愛の中から無理矢理にニューヨークに押し出された。

やがて青年になったケーンはかねてから興味を持っていた新聞経営にのりだした。
先ず破産寸前のインクワイアラー紙を買いとり友人の劇評家リーランドとバーンステインの協力を得て完全に立ち直らせた。
さらに斬新で強引な経営方針と暴露と煽動の編集方針で遂にニューヨーク一の新聞に育てあげた。
しかし、絶大な権力を手にするのとは裏腹にケーンは孤独な人生を歩みはじめるのだった。


まるで探偵映画のような手法を取っているが、それでいて、きっちりと人間の持つ欲望や情熱のむなしさという主題をきっちりと描いているところが、天才オーソン・ウェルズだ。
映画撮影、編集のテクニックでもエポックメーキング的な様々な手法を駆使している。

『市民ケーン』はいろんな意味で映画界を三歩前進させた作品だ。


市民ケーン




市民ケーン





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2006年12月30日

『第三の男』・・・500円で人生をエンジョイできる映画

映画史上に不動の地位を築いたオーソン・ウェルズの最高傑作だ。

親友の事故死に疑惑を持った作家が真相を調査していくうちに、事故現場にいた「第三の男」の存在を知る。
さらに調査を進める中、親友の恋人だった女性を愛し始めた作家の前にその男が姿を現す・・・。

なんともミステリアスでリリカルな映画をよくぞ、作ってくれたもんだ。

常に「影」だけで第三の男を表現する演出方法に、素敵な(お馴染みの)チターの音楽。

『第三の男』は世界を白黒でもこんなに表現できるんだということも示してくれる。(まぁ、当時は白黒しかなかったのだからしょうがないが)

そして、ラストシーンは女性(凛としたアリダ・ヴァリの美しさ!)の強さをなんとも静かに主張している(「風と共に去りぬ」とは対照的だ)。

このラストシーンのために『第三の男』はある。


 第三の男 [CLASSIC MOVIES COLLECTION] / 洋画




第三の男






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『天井桟敷の人々』・・・500円で人生をエンジョイできる映画

ナチス占領下のフランスで、映画人が3年3ヶ月の情熱を注ぎ込んで製作した歴史的名作。

舞台は19世紀のパリ。パントマイム役者の男(この人のパントマイムが天才的!)、魅力的な女芸人(見世物小屋のヌーディスト)、彼を愛する娘らが織り成す人間模様を感動的に描き上げた傑作だ。


あまりにも映画的な映画で、映画の全てがここにある。

この映画『天井桟敷の人々』を観始めたら5分で、世の中の有象無象が50億光年の彼方に吹っ飛んでしまう。


日本で戦時下にこんな映画を作っていたら、即刻、「非国民」ということで逮捕だろうが、そういう状況でもこんな傑作を作ってしまうのが、僕ら人類だと思うと、ちょっとほっとする。



僕らもきっと、『天井桟敷の人々』なんだ。

天井桟敷の人々 / アルレッティ



天井桟敷の人々



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「これを観ずに死ねるか!」的映画・・・「映画を観るための本」

……と言うわけで、僕らの人生には限りがある。
当然、観られる映画にも限度が出てくる。

そこで、せめて、こいつだけでも観ておきたい映画っちゅうもんを観てみたい。

だけど、僕にはどれがそういう「これを観ずに死ねるか!」的映画か分からない。

そこで、映画の灯台が必要になるわけだ。



■ビデオ・DVDで観たい名画200選 淀川 長治 (著), 佐藤 有一 (著) 光文社 (2004/11)

「映画こそは生きた人間教科書」(淀川)
生涯を映画に捧げた師弟による〈遺言の書〉!
「映画は生きた人間教科書」(淀川)、「思いの丈を、この一冊にぶつけた」(佐藤)――
映画に生涯を捧げた師弟が、「風と共に去りぬ」「太陽がいっぱい」「ベルリン・天使の詩」など、選りすぐりの名画200作品を解説。
あらすじ、見どころ、名場面の写真、監督や俳優のプロフィールに加え、製作秘話なども楽しい名画ガイドの決定版。

ビデオ・DVDで観たい名画200選


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■淀川長治 究極の映画ベスト100  淀川 長治 (著), 岡田 喜一郎 (編集)  河出書房新社 (2003/09)

『淀川長治映画ベスト1000』の中から究極の百本をよりすぐり、淀川さんの発言・文章をボリュームアップ。
グリフィス『イントレランス』、フォード『荒野の決闘』、ヒッチコック『鳥』、ベルトルッチ『ラストエンペラー』、アイヴォリー『日の名残り』から北野武『キッズ・リターン』まで。
生涯かけて全作見たい。

淀川長治究極の映画ベスト100




淀川長治 究極の映画ベスト100







■外国映画ぼくの500本 双葉 十三郎 (著) 文藝春秋 (2003/04)

これぞ究極のシネマガイド
二万本を超える映画を見てきた最高峰にして最長老評論家が、絞りに絞り込んだ面白映画五百本。
これは二十世紀の“世界遺産”である


故淀川長治氏と並び称されてきた著者は、本年(二〇〇三年)九十三歳にしてなお現役、これまで見てきた映画は優に二万本を超えるという、まさに生き字引的映画評論家。
近年、外国映画約八千九百本の評を、世界にも類を見ない膨大なガイド『ぼくの採点表』全六巻に集大成し、二〇〇一年の菊池寛賞も受賞した。
本書ではそれを上回る一万数千本から、「理屈抜きに面白い」という観点で選び抜いた五百本を収録。
文字通り「究極のシネマガイド」である。


外国映画ぼくの500本




外国映画ぼくの500本





■日本映画ぼくの300本

故淀川長治氏と並び称されてきた著者が贈る『外国映画 ぼくの500本』に続く第二弾。
今回はサイレントの名作から近年の『Shall we ダンス?』まで「これぞ日本映画」といえる300本を精選した。
小津、黒沢、溝口らはもちろん、化け猫ものやナンセンス・ミュージカル『狸御殿』、さらには『渡り鳥』『座頭市』『緋牡丹博徒』といった娯楽シリーズまで取り上げるのが双葉流。
新たに星取りを施し、ビデオ情報も完備して、映画ファン必携。

日本映画ぼくの300本




日本映画 ぼくの300本





■ぼくが選んだ洋画・邦画ベスト200 (文庫) 小林 信彦 (著) 文藝春秋 (2003/12)

20世紀が生んだ総合芸術・映画の歴史のなかで、名作、傑作は数え切れないが、何度もくり返し観た、もう一度観たい、という基準で選んだ洋画・邦画ベスト200。
トーキー誕生の頃に生まれた著者が魅了された極上の200本。
チャップリンからウディ・アレンまで、黒沢明から大島渚まで、生涯最良の映画の輝きを見よ。


ぼくが選んだ洋画・邦画ベスト200




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■見ずには死ねない!名映画300選 外国編 (単行本) 黒川 裕一 (著) 中経出版 (2005/09)

現役の若手映画監督が、必ず見ておきたい100本とおすすめ200本の「見どころ」をズバリ教えてくれる! 気分で選ぶガイドマーク付き。

内容(「BOOK」データベースより)
もうレンタルショップで迷わない。
必ず見ておきたい100本。こちらもおすすめの200本。
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見ずには死ねない!名映画300選(外国編)




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2006年12月24日

今年最後のホーライ製薬からお勧めの音楽です

今年最後のホーライ製薬からお勧めの音楽です。


中島みゆき ララバイSINGER

「宙船(そらふね)」の迫力と「重き荷を負いて」の鎖に繋がられながらも、僕らは旅人となる。

中島みゆき ララバイSINGER




ララバイSINGER






中島みゆき パラダイス・カフェで「永遠の嘘をついてくれ」

獣ならば、最後の気力で「永遠のさよならの代わりに、やりきれない現実の代わりに、永遠の嘘をついてくれ」

最後の気力で「永遠の嘘をついてくれ」。


パラダイス・カフェ




パラダイス・カフェ








萩原朔太郎の詩「こころ」と手嶌葵“テルーの唄”



眠れ、こころ。


●手嶌葵“テルーの唄”CD(2006/6/7)




萩原朔太郎選書

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2006年12月18日

壮絶な作曲家と演奏家と観客の戦い

「のだめ」を見ていて思ったのだが、クラシック音楽はつくづく作曲家と演奏家(指揮者含む)と観客の壮絶な戦いなのだ。


作曲家は自分の追求する美のために、演奏家の技法や楽器の特性さえ無視した音を(音符を)要求してくる。

そして、指揮者も妥協をしらない。(たかだが、薬科大学のアマチュアオーケストラの僕らを指導してくださった指揮者もそうだった。)


演奏家は、そんな傍若無人で、唯我独尊の作曲家や指揮者の要求に応えないといけない。

そして、きっちりと、応える(プロだからね。)


でも、ラブソディ・イン・ブルーの出だしの例のクラリネットのスラーで音が上がっていくところは、初演の練習に来た演奏家が「こんな譜面、吹けっこありません。クラリネットはそんんが楽器ではないのです。不可能です。」と言ったところ、作曲家のガーシュインが「どれ、貸してみろ」とクラリネットを演奏家から取り上げると、その不可能なことをやってみせた。「ほら、できるじゃないか。」ということで、不可能が可能になった。

「ラフマニノフ」の2番なんて、狂気の沙汰だ。

どうして、こんな曲が生まれたんだ? そして、どうして、これが弾ける演奏家がいたんだ?


そんな試練を超えて演奏される音楽を、こんどは観客がきちんと評価できるかどうか、試される。


難解だからいいのか、技巧的に素晴らしい音楽がいいのか。


それは、その曲の最後の音符の音が消えた瞬間に、その瞬間に立ち会ってしまった演奏家と作曲者と指揮者と観客が決めることだ。

それは、歴史が決着をつけるのだ。



▼ラフマニノフ1. ピアノ協奏曲 第1番 嬰ヘ短調 作品1 2. ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18

自ら組織したポーランド祝祭管を弾き振りしてショパンの協奏曲を録音以来のツィマーマンの新録音。

収録曲は、映画やTVなどでも使用されたことで最近のヒット曲でもあるラフマニノフの協奏曲を収録。
バックは国民的人気を博す小澤征爾と、ウィーン国立歌劇場の音楽監督に小澤が就任するまで長くコンビを組んだボストン交響楽団という大変豪華な組み合わせです。

2004年度レコード・アカデミー賞銀賞受賞。

言葉を失うほどの素晴らしさだ。

ラフマニノフのピアノ協奏曲というと、「第2番」「第3番」のみがメジャーな印象があるが、あまり演奏されない「第1番」が含まれているからといって、このCDを聴くのをためらう人がいるとしたら、それは“大きな損失”であると断言できる。

あのショパンのピアノ協奏曲の名演以来の、ツィマーマンの強烈な一撃が待っている。

「第1番」の冒頭から、聴いてすぐにパッとわかる。
ラフマニノフのピアノ協奏曲が、これほど火のように熱く、燃えあがるような精神によって演奏されたことがあっただろうか?
ツィマーマンのピアノは、輝かしいだけではなく、どっしりとした根を大地に生やしたような、落ち着いた風格がある。
だからこそ、ちょっとした装飾音、パッセージでも稲妻のようにきらめく様は、目がくらむほど鮮やかだ。
小澤のバックがまた迫力満点で、粘っこい歌でツィマーマンのピアノにぴったりと寄り添う。


「第2番」はさらに凄い。
有名になりすぎたあの冒頭からして、演奏の格が違う。
一つひとつの和音の間に異常に間をとりつつ、単なる鐘の音の模倣というよりは、聴き手の心の一番奥底に届けとばかり渾身の思いを込めた分厚い音の塊が、何と肉感的に、そして感動的にぶつかってくることだろう。
夢見るような旋律に彩られているがために、恋愛映画的ななよなよした感傷性と結び付けられてしまいがちなこの曲が、巨樹のような厳しい存在感を放っている。
小澤のバックも、グラマラスで重心の低い、意志的な響きと弾力的なリズムが、こたえられないほどの快感を与えながらぶつかってくる。

録音も美しい。

芯の強くまろやかなピアノの音を十二分に伝えながら、オーケストラの細やかな雰囲気も残した適度な残響のバランスが見事。

アシュケナージ、リヒテルらの名演を聴きなれた人にも、ぜひおすすめしたい1枚である。


ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番・第2番



ラフマニノフ1. ピアノ協奏曲 第1番 嬰ヘ短調 作品1 2. ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18







▼「ラプソディー・イン・ブルー」

アントルモンのふくよかなピアノの音色が魅力的な演奏。

ジャズとクラシックの見事な融合が聴けるガーシュインの「ラプソディー・イン・ブルー」など、アメリカの有名曲を集めたアルバム。

オーマンディがフィラデルフィア管弦楽団を振って、本場ならではの演奏を聴かせてくれる。


カラヤンしかり,オーマンディしかり。
やはり並の指揮者ではこうした曲を楽しませられない。

少しもイヤ味にならずにツボを心得た表現は,強烈な個性には欠けるものの,オケがとびきり上等なこともあって,ゴージャスな喜びを与えてくれる。

名匠の技だ。



オーマンディ/ガーシュイン:ラプソディー・イ


ガーシュイン:ラプソディー・イン・ブルー





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2006年12月10日

パイプオルガン好きですか?

副題として「オルガン」とついているサン=サーンスの交響曲第3番。

その副題のとおり「パイプオルガン」の荘厳な音色が楽しめる。


ピアノとパイプオルガンとオーケストラが見事に三位一体となり、流れるような音楽が洪水のようにあたなの前に押し寄せます。

この曲の中で最も印象深いのはもちろん、「パイプオルガン」の出だし。

「バーン」と出ます。その不意をつく衝撃に負けないよう、しっかりとシートベルトをつけて聴いてください。

(特にダニエル・バレンボイム指揮 シカゴ交響楽団の組み合わせが良い!)



サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」他



サン=サーンス:交響曲第3番




バレンボイム/サン=サーンス:交響曲第3番/UCCG-3589

バレンボイム/サン=サーンス:交響曲第3番/UCCG-3589




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2006年12月09日

モンキーズ/グレイテスト・ヒッツ

タートルズ、ラヴィン・スプーンフル、その他の60年代にトップ40ヒットを飛ばしたさわやかで、ときにはロックしていたアーティストたち。

気取り屋でもない限り、リスナーがすてきなモンキーズのコレクションを置いておくのは、こうしたアーティストのCDからそう遠くない場所だ。

本作は収録曲が多いだけでなく、言わずと知れた大ヒット曲(「I'm a Believer」や「Pleasant Valley Sunday」や驚くほど勢い豊かな「Valleri」)はもちろん、モンキーズの浮き沈みの激しいキャリアの悪い時期に運悪くはまりこんだナンバーも数多くそろえている。

なかでも重要なのは「Porpoise Song」で、このゴフィン&キング作の不可解な詩を持つナンバーがとらえたサイケデリックな世界は、えげつない金儲け目当てであると同時に、アメリカのヒッピーたちの夢が生んだこの上なく愛すべきはかないサウンドのひとつだ。



{架空のポップ・グループ}という画期的な発想から生まれたモンキーズのヒット曲を集めたライノ編集盤。

60年代最高のプロデューサー/ソングライター・チームによる米国産ポップの傑作集だが,カントリー・ロックの先駆者マイク・ネスミスの自作曲も光る。



そもそも、TV番組の「ザ・モンキーズ」を覚えているという人がどれくらいいるのだろう?

イギリスのビートルズの人気にあやかり、アメリカのショービジネスのプロデューサーが、オーディションを企画し、全米から4人の若者を選び、TV番組のためグループを結成させた。それが、「ザ・モンキーズ」。

デビュー曲の「恋の終列車」は、ビートルズ・サウンドを完全に意識してつくってありますね。
勿論大ヒットし、すぐに全米No.1に。
2枚目の「アイム・ア・ビリーバー」も同様にビートルズ・サウンドに似せています。これも大ヒット。


結成の経緯はともあれ、「デイドリーム・ビリーバー」のデイヴィー・ジョーンズの甘い歌声は、青春の淡い思い出と重なっています。
このCDであらためて聴きなおしましたが、懐かしい歌声が一杯詰まった永遠のラブ・ソングばかりです。
愛らしい「自由になりたい」も名曲で、若い世代の方に是非聴いていただきたい曲です。

我々の世代にとっては、「ザ・モンキーズ」の歌声と共に1960年代の思い出が、きっと蘇ることでしょう。



モンキーズ/グレイテスト・ヒッツ





グレイテスト・ヒッツ








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ザ・ベスト・オブ・ボブ・ディラン VOL.2

ヨーロッパ・ツアーに合わせて急遽企画されたディランのベスト盤。

97年リリースの#VOL.1も日本ではかなりの実績であり、入門編としてはこの2枚がぴったりの内容になっている。


Dylanは60年代の定番の曲も素晴しいけれども、70,80年代にも優れた曲が数多くある。

vol.1は80年代の曲のカバレージが少なかったが、本作は70年代から90年代の名曲も比較的多くとりあげているので、Dylan入門編としてvol.1を選んだ人は、お金に余裕があれば、本作も購入すれば、Dylan全キャリアの名曲は大体カバーできる。

時代がボブ・ディランを要求している。

そしてボブ・ディランが垣間見た世界を僕たちも、このアルバムを通して見ることができる。


いったい、ボブ・ディランに影響を受けなかった音楽家って、いるのだろうか?



《送料無料》ボブ・ディラン/ザ・ベスト・オブ・ボブ・ディラン Vol.2(CD)





ザ・ベスト・オブ・ボブ・ディラン VOL.2




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ザ・ベスト・オブ・ボブ・ディラン / BOB DYLAN

1997年編纂のボブ・ディランのベスト盤。

ディランの場合、オリジナル・アルバムの数が多いうえ、各時代ごとに名盤と呼ばれる作品があり、さらには歌詞が難解なため日本語対訳がないとなかなか曲の内容を理解できない等々、初めて聴く人にとってはハードルの高いアーティストともよく言われる。

そんなディラン・ビギナーにオススメなのが本盤だ。

62年の余りにも有名な「風に吹かれて」から、89年の『オー・マーシー』収録曲「エヴリシング・イズ・ブロークン」まで、ディランの代表作といわれる作品を過不足なく網羅した選曲の良さ、菅野ヘッケル氏によるディランのバイオグラフィーおよび詳細な全曲解説、そして歌詞対訳と、入門用としてこれほどコンパクトかつ充実したテキストは他にない。

“一家に一枚の必携盤”という表現も、決してオーバーではない。


ディランのベスト盤は過去に何枚も発売されているが,この最新ヴァージョンはベーシックなレパートリーをコレクションしたものだ。

こうやって聴いてみると,この約35年間にディランは尽きぬ創造力を発揮してきたことが分かる。


味わい深い名曲揃いだ。


友よ、その答えは風に舞っている。


ボブ・ディランと同時代に生きていることに感謝する。(感謝したくなるような作品たちなのだ。)



【CD】【20%OFF!】★激安★ザ・ベスト・オブ・ボブ・ディラン / BOB DYLAN





ザ・ベスト・オブ・ボブ・ディラン




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2006年12月07日

サイモン&ガーファンクルのエッセンシャル・ベスト。


オリジナル・アルバムからの代表曲はもちろん、BOXセットやライヴ盤、解散後にリリースされた「マイ・リトル・タウン」まで網羅した決定版。

S&Gの歴史は、長い!

以前だとグレイティスト・ヒットですが、それでは一般的過ぎるという方も多いのではないでしょうか。

彼らの曲は、既にスタンダードとなっているものが多いのですが、もう少し彼らの曲に触れたいと思われている方には、最適です。

ヒット曲はもちろん、「ニューヨークの少年」や「動物園にて」などは、日常なかなか聴くことができませんし、アルバム未収録の「ブルース・ラン・ザ・ゲーム」などの収録は、珍しいものです。

これが気に入ったら、個別のアルバムを聴いていかれてもいいのではないでしょうか。


このCDの2枚目15曲目に収められている「ボクサー」は凹んでいた時にはいつでもカンフル剤になってくれた。



【Aポイント付】サイモン&ガーファンクル Simon & Garfunkel / エッセンシャル(日本盤CD)





エッセンシャル・サイモン&ガーファンクル







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