2007年06月09日

『カインド・オブ・ブルー/マイルス・デイヴィス』と『冒険者たち』

青春へのレクイエムとも言うべき傑作。

パリ郊外の飛行クラブでインストラクターをしているマヌー(アラン・ドロン)と新型エンジンの開発に熱中す元レースカーのエンジニア・ローラン(リノ・バンチュラ)のもとに、レティシア(ジョアンナ・シムカス)という女性が現れる。

芸術家の卵である彼女に恋心を抱くふたり。
やがて3人は、アフリカの海底に5億フランの財宝が眠っているとの話を聞き、コンゴに旅立つ。

口笛を使ったフランソワ・ド・ルーペの音楽が、名シーンの数々をいっそう忘れがたくしている青春映画として、友情を描いた作品として、冒険を描いた作品として、その輝きは永遠に色あせることはないだろう。
マヌー、ローラン、レティシア、まるで実在するかのように彼らと彼らの行動が愛おしくなってしまう。

ロベール・アンリコ監督の映画には、いつまでたっても大人になりきれない人間が登場し、夢追い人たちに微笑みかける。

「青春」というモノが、「夢」や「浪漫」、「友情」、「恋愛」について、臆面もなく、熱く、過剰なまでに情熱的に語ることが出来る幸福な時期といえるならば、公開後40年余り経った今日でも、映画ファンの間では永遠の「青春映画」の名作と呼んで相応しい作品。

僕が不良になった原因が2つ有る。1つは吉田拓郎で、もう1つがこの映画だ。


 冒険者たち / アラン・ドロン




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posted by ホーライ at 19:06| Comment(0) | TrackBack(1) | ジャズと映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月02日

僕の★激突!と僕の『処女航海/ハービー・ハンコック』

僕はこの映画を高校時代にスティーブン・スピルバーグの作品とは知らずに観た。
あとになって、そのことを知り、スティーブン・スピルバーグの偉大さを改めて感じた。
この映画は日常を徐々に徐々に非日常とも言えるし、いやいや、これだって日常さ、という世界に運んでくれる恐怖映画だ。

マイカーがトラックに嫌がらせされるというありふれた事件を、スピルバーグは巧妙な組み立てで一級のサスペンスに仕上げている。

この映画を観ると、しばらくは高速道路でもトラックを追い越せなくなること間違いない。

地味だが映画の楽しさの「ある一面」を思う存分味わえる20世紀の名作映画だ。


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僕の『処女航海/ハービー・ハンコック』

新しいヨットで海に出たが、台風に遭遇し、自然界において自分がちっぽけな存在であることを知る。
それでも生き延びることができたのは、まさしく適者生存に違いないだろう。
そして最後は穏やかな海でイルカがダンスをしている光景を目にして終わる。
そこに見えてくるのは決して密閉された空間での熱ではなく、水平線の彼方まで連れて行ってくれる風であり、無限に広がる音の広がりだ。

そんなエナジーを秘めた音の道標に導かれ、爽やかな光のようなメロディが進んでゆく冒頭の「MAIDEN VOYAGE」を聴いたら、誰しもが今作のロマンに引き込まれるだろう(今作はその後スタンダード化された曲ばかり)。

・・・・・・という「海」にまつわるコンセプトのジャズの名盤。
生と死を司る海という未知で荒々しく、そこへ向かう人間の、しなやかさやちっぽけさには、しかし常に勇気が刻まれており、文明と自然との格闘の物語のようにさえ、聞こえうる作品だ。

ドラム、サックス、トランペット、そしてベースにピアノ。
ベストな組み合わせとベストなプレーヤー。

これからのウットオシイ梅雨から夏にかけて、お奨めの音楽です。
朝よりも夜に聴きたい。


処女航海




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