その後に続出する“捕虜収容所もの”(例えば「大脱走」)の原型となった映画だ。
第一次世界大戦中。
敵情偵察の任務を持つマレシャル中尉とポアルディウ大尉を乗せたフランスの飛行機は、ドイツの飛行隊長ラウフェンシュタインに撃墜されドイツ軍の捕虜となった。
マレシャルはパリの機械工の出、ポアルディウは貴族、そして国こそ違うが同じく貴族であるラウフェンシュタインは二人を捕虜扱いにせず不運な勇士として食卓にさえ招待するのであった。
彼等が収容されたハルバハ・キャンプの部屋には、ロザンタァルというフランスに帰化したユダヤ人の金持の息子もいた。
彼のもとに、日毎送られて来る慰問品で同室の人々はぜいたくな食事をとることが出来た。
貴族出で終始白い手袋をはめているポアルディウをマレシャルはなかなか信用しなかったが、脱走するための地下穴を掘る件に関しては皆んなが協力したのだが……。
ルノワール監督の洒脱な描写が光る。
第二次大戦が迫り来るなか、国境を越えて、これだけの反戦映画が作られたこと自体が行幸。
平和主義を貫く映画人の底力を見せ付けてくれる。
感動のラストシーンも鮮烈だ。
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